音声起こしの仕事をしていると、「入力の速度はさぞかし速いんでしょうね」と言われることがあります。
確かに、話している言葉をパソコン入力で文字に起こしていくのだから、遅くては仕事にならないので、それなりの速度はあります。
ただ、私はテープ起こしで大事なのは速さではなく、最終的な原稿の仕上がり方だと思っています。
速く正確に入力できれば、それはもちろんいいでしょうけど。
でも私の場合、最初に音声を聞きながらパソコンで打っていくときは、間違いだらけ。
2回目、3回目の聞き直しで、誤字脱字やタイピングミスを直していきます。
以前、まだこのお仕事をしていないとき、文字入力のためのお仕事の面接に行き、入力のトライアルテストを受けたことがありました。
「よーい、どん」で入力開始、「やめ」のところでどこまで打てるかというもの。
結果、不採用だったのですが、理由は、「スピードは速いけどタイピングミスがあったから」でした。
その会社では、一発での入力がいかに正確かを見ていたわけですね。
今私がやっているテープ起こしは、「最終的に、お客さまの望む形での正確な原稿をつくること」が目的なので、入力スピードが速いからすごいというわけではありません。
どちらかと言うと、入力ミスや誤字脱字がないか細かくチェックする能力と、聞き取れない言葉は何回も聞き、調べていく根気強さが必要なことだと思っています。