久々の特撮ネタ

「最近特撮の話題がないのね」というお言葉をいただき、読んで楽しみにしていてくれた人が一人でもいてくれたことがうれしい…。
というわけで、久々の特撮ネタ。この年末に!
今日音声起こしをしたのは、2000年放映「未来戦隊タイムレンジャー」。

我が新潟県の生んだイケメン俳優、永井大さんがタイムレッドを演じていた作品ですが、印象としては、とにかく大人っぽい戦隊だったなと。
お子ちゃまたちは話についてこれてるかい?と思うほど、ドラマ部分が深く、重いストーリーだったように思います。

今回注目したいのは敵側なのですが、タイムレンジャーの敵の一人、ドン・ドルネロはとにかくお金が好きです。
金儲けのためにさまざまな悪事を働くのですが、人を殺すのをあまり好まなかったり、世界の征服なども考えていません。
妙に人間くさい(人間じゃないけど)、情が深い部分もあって、印象的な敵だったと思います。
音声起こししたのは、物語の終盤、愛人(?)のリラとの会話です。

ドルネロ「だがな、1つ言っておくぜ。確かに世の中金だ。金がなきゃ、生きていけねぇ。それでも、その金でも買えねえものがある」
リラ「はあ? ちょっと大丈夫? うふふ、まさか愛とか言わないわよね?」
ドルネロ「俺は、愛想を尽かして俺を捨てた母親さえ、金で連れ戻したんだ。そんな青くせえこと、言うかよ」
リラ「じゃあ、何よ」
ドルネロ「いいか。(胸の辺りを叩いて)ここに空いちまった穴だけは、いくら金つぎこんでも埋まらねえ。絶対にな」
リラ「ふーん?」
ドルネロ「ギエンの野郎も、埋めそこなった口かもな」

ドルネロは、かつて自分の命を救ってくれた、仲間のギエンに対する情を捨てきれず、敵であるタイムレンジャーではなく、ギエンに射殺されます。
悪人ではあるのですが、その中に情や哀愁を感じさせたドルネロ。
第47話「ドンの最期」は、ヒーロー側から見ると敵が死ぬ話なんだけど、今思い出してもちょっと心が痛むような回でした。
近年の戦隊は、こういう心に残る敵が、あまりいないような気がします。
あ、でも今年の「ルパンレンジャーVSパトレンジャー」で、中ボスのデストラがパトレンジャーたちに倒されてしまったとき、ボスのドラグニオが「お前はいい右腕だったよ」と言いながら一人弔い酒を飲むシーンはよかったな…。