少し前の話になってしまうのですが、映画『八犬伝』見てきました。
「【虚】と【実】が交錯する」とうたわれている本作、実在した滝沢馬琴と葛飾北斎の【実】のパート、それから『八犬伝』の物語からなる「虚」のパート、この2つが織り交ぜられている構成でした。
映画の感想はいろいろあるのですが、特にこのブログで書きたいと思ったのは、映画の最後の部分。
晩年目が見えなくなった馬琴は、自分で筆をとって物語を書くことができなくなりました。
それで、馬琴が語ることを息子の嫁が書き止めるといった方法で『八犬伝』を完成させました。
いわゆる口述筆記というやつですね。
音声を聞きながらそれを文字に起こすことが大変根気のいる作業ということは、十分理解できます。
しかも、今でこそパソコンという文明の利器があり、かなりの速度で起こすことができますが、当時はもちろんすべて手書きです。
馬琴の息子の嫁のお路は、知らない字も多かったようで、それを教わりながらの口述筆記だったようです。ますます大変!
よくよく考えたら、「ついこの間まで」と言ったら語弊がありますが、少なくともワープロが普及する前までは文字起こしの仕事も手書きだったんですよね。
それがワープロ、パソコンと移り変わり、今ではついにAIへと、文字起こしの世界も時代の流れとともに変わってきました。
AIを使えば話したことが一瞬で文字になる……、馬琴が生きていたら「これで物語の続きが書ける!」と大喜びしたに違いありません。
お路はそれはそれは大変だったと思いますが、当時から人気のあった長編小説の続きを誰よりも早く知ることができたわけで、これは口述筆記の特権ですね!
私も文字起こしをしながら、いろいろな話を聞けること、自分の知らなかった世界のことを知ることができることを、いつもうれしく思いながらお仕事をしています。
秋は各種会議、シンポジウム、講演会など数多く開催される季節です。
音声起こしはぜひ当オフィスにお任せください。
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